ひな百合手記

関係性と悲鳴と考察

超探偵事件簿レインコード推理置き場(1章)

※注意

この記事はレインコードのネタバレを含みます

今回はクギ男事件。

 

この記事の要旨

 これは作中の『謎迷宮』にて実質的な答え合わせをする前に、自分での推理を整理、保存しておくための記事となります。合っているかはどうかはさて置いての推理なので、もしこれを読む人がいたらご容赦ください。

 なお提示された推理材料は『赤文字』、私がした推理は『青文字』で表記します。

 

↓下に本文

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

推理『連続密室殺人鬼クギ男』

 これを書いているのは解鍵確定である謎迷宮入口……の、少し先に進んだ1~4の分岐地点になります。さすがに現場の見取り図は欲しかったのでご容赦ください。

密室4(時計塔)

 まずは一番カンタンそ最初の密室から取り掛かります。

推理4-①

犯人の逃走口は窓。窓下に打ち付けた二本のクギを支えに縄梯子を掛け、それを使って地上に降りた。縄梯子は教会の焼却炉で燃やされていたものだ

・『窓の下の二つの人形に刺さった釘についた、黄色い何かを擦った跡

・『窓の真下に存在した不審な足跡

・『自重で下に落ちると自動でロックされるシャッターの構造

・『ロープの燃えカス

 これにより、

シャッターは密室を保障しない。梯子を外してから自動でロックさせることが可能であり、このシャッターが開いていたことはすぐ下の地面が濡れていたことからも判断できる

燃えカスの図から考えるに、釘に”結ぶ”ではなく輪のように”引っかける”ことで梯子を固定した。降りた後に緩めて一本の縄状にして回収できる

また、

・『死因は絞殺

 であることから、この縄梯子が凶器としても利用されている可能性がある。

 

推理4-②

少年の父はクギ男ではない

・『高所恐怖症

 推理①において、犯人は地上3階相当の時計塔から外壁を垂直に降りている。

 よって、これは高所恐怖症の男には不可能な犯行である。

 さらに重ねて『焼却炉は教会所属の人間しか使えなかった』という制約により、犯人は教会所属の人間デス。

 

 

密室1(秘密カジノ)

 ここからは時系列順です。

推理1-①

犯人の脱出口は通気口

・『ドアの鍵は複製不可能であり、グラス内に存在した

・『死体発見時、通気口はネジ留めされていなかった

 さらに「通気口は人が通れるくらいの大きさがある」と言及されているため、この通気口が塞がっていない事実は密室を破壊するに足る。

 また、

・『通気口真下の釘は下向きに曲がっていた

 により、脱出の際の足場にするためび釘を打ち付けていたと考えられる。

 そのため、そもそも『クギ男事件』の目的は「密室トリックに用いたクギをカモフラージュするために行われる粉飾である」と推察できる。

 また、通気口という脱出口の特性から「犯人は大柄な体格では無い」と言える。

 

 

密室2(洋館)

 

推理2-①

犯人は入口のドアから脱出し、鍵を閉めた

・『部屋の見取り図

 この密室には時計塔、カジノのように抜け道は存在しない。

 そのため、それこそ魔女や怪異の犯行でなく人間の犯行であるとするなら「入口のドア以外に脱出口は存在せず、鍵をあとから内部に運び入れるタイプの密室である」と判断することができる。

 もちろん「闇金持ちの主は秘密の抜け道を書斎に用意していた!」などの指針迷子はノックス第3条『秘密の抜け道を禁ず』でぶっキルです。

 言うまでもないけれど言いたいので言いました

 

推理2-②

 ではどうやって鍵を部屋の中に運び入れたのか?

犯人は施錠後に通気口から部屋の鍵を部屋の中に入れた

 これは密室4時計塔とは異なり鍵穴が埋められておらず、まず施錠が可能なことによるトリック。

 では如何にして鍵を部屋の中に、それも死体の下に運んだのか?

方法は細い紐状のモノを用いてケーブルカーのように鍵を死体へと運んだ。経路は通気口から人形の眼窩へ紐を通し、上体を起こさせた死体の首を経由して一周し戻ってくるルート。これ使って死体の方へ鍵を滑らせ、紐を回収すれば、落ちた鍵が倒れた死体の下敷きになる

 これは全ての解鍵である、

・『死体の下半身の釘は貫通し床に遺体を固定しており、血痕も横向き

 『上半身は釘が貫通しておらず血痕も縦向き

・『死体の首の後ろ側(ドアと反対側)のみに、絞殺痕のほかに細いロープの痕跡がある

・『眼球をくりぬかれ、内部で穴が繋がったた人形

・『書斎の見取り図

・『ドアの鍵は死体の下に敷かれるように落ちていた

 から構築可能なトリック。

 以上のトリックによってこの密室は切り捨てられたと知り給え!

 ただしこのトリックは誰にでも可能な技術であり、犯人を絞り込む要素は無いのが残念です。

 

 

密室3(美術館)

推理3-➀

 推理2-①と同じく、

犯人は部屋の入口のドアから犯行後に脱出し、鍵を閉めた

 

推理3-②

 犯人はドアを使用した。

 ただし、

・『ドアの鍵は内部の人形と一緒に打ち付けられた物と、職員の持つ物の計2つのみ

 もちろん「その職員が犯人と共犯であった」という説はノックス第1条『犯人は物語にあらかじめ登場しており、その心の動きが読み取れる者でなくてはならない』でぶっキル、デス。

 

 では鍵をどうやって内部に入れたのか?

 それは、

人形を先に固定した絵画を窓際に立てかけ、窓の外から人形へと鍵を釘で打ち付けた。そのあとに絵画をパタリと倒せば死体発見時の状況が完成する

 この方法ならば以下の

・『釘付けにされた人形

・『ドアの鍵

・『窓の隙間

 と現場の状況に矛盾を生じさせずに密室を構築可能!

 

 

犯人は誰?

 密室1より、

・『犯人は大柄ではない

 これにより教会使用人は犯人ではありません。

 密室2と3は誰にでも犯行は可能ですが……

 密室4。

・『犯人は教会所属の人間

 これにより、第一発見者の信者は犯人にはなれません。

 さらに重ねるならば『腕を骨折している』シスターにも犯行は難しいでしょう。

 なにせ絞殺を片手で、しかも一般的な女性の手で行うのは難しいですし、不安定な縄梯子を降りるのもかなりの困難を伴います。もっとも「時計塔からの脱出中に落下した時の怪我」というセンもあり得る範囲です。

 が、

・『壁に向かって並んだ足跡

 これが「犯人はしっかりと両の足をついて地上へ降りた」を示す証とも考えられます解鍵です。よって犯人はやはりシスターとは言い難い。

 残った犯人候補はただ一人。これでヘンペルのカラスは有効……さらに犯行の条件にも合致する教会の人間でシスターよりも1cm小柄な人間ッ!

 糸目神父……あなたが犯人以外に在り得はしません!!

 

 さて以上を以て密室の謎はすべて切り捨てました。

 ただ解鍵がそこに存在するだけで、私にはここまで程度の推理が可能です……如何でしょうか、皆様方?

 

 ——と、まあ。勢い付いて赤き解刀を振り回してみたものの。

・『釘を打ち付けられた人物画

・『信者が零した黄色いペンキ

 この二点の解鍵は触き明かされていないままです。しかし密室の謎そのものにこれらが関与していないし、犯人も糸目神父が最有力。おそらく犯人追及フェーズで使うのでしょうから、振りかざすのはその時にしようと思います。どうせ「犯人しか知らない『絞殺』の情報を自白させる」があるのは解鍵『非公開情報』から察せられますし。

 それはそうと、信仰深いがやや話が通じないたまに開眼する準糸目神父が犯人って、まあまあ王道をぶち抜きすぎじゃありません?

 

考察

 あと保安部の連中……というよりカナイ区自体が「未解決事件を量産しようとしている可能性がある」のは確かっぽいですね。これだけテクノロジーが発達した独裁地区、秘密警察のような保安部までいるのに、盗聴器はおろか防犯カメラすら設置していないのは妙です。普通なら住民監視のためにも置けるだけ置くでしょう、監視装置なんて。なのに、それがない。

 ここでチェス盤をひっくり返してみると、アマテラス社は「わざと犯人が特定できないような環境を整備している」と考えられる。そして杜撰な捜査で冤罪、つまりは『未解決事件』および『謎迷宮』を量産されるわけだから……やはり、カナイ区最大の秘密とは謎迷宮をしっかりと認識している組織による人類の精神汚染なのでは?

 なんだか江ノ島さんの『絶望病』思い出すけれど、それで何がしたいんだか……

 

補記.

 ハララさんの性別どっちだよ問題が出てるけれど、執拗な前フリ、喉元を隠す衣装などから男性っぽい気がする。ちょうどダンロン無印にも前例があるし。

 

 

答え合わせ後の追記コーナー

・『ハララの探偵能力は「第一発見者の目撃した光景」である

・『ハララの探偵能力は「犯人」と「被害者」はトリガーにならない

 これ使えっていうの、能力初見にはちょっとキツくない!? たしかにカジノでその辺のトリガー問題について説明あったけども。明らかにヒントとして浮いてるペンキ缶とかあったけども。信者が最低でも共犯者だったりはするだろとは思ってたけど!!

 でもノックス十戒に中指立てまくった調査方法なのに「本来なら可能な現場検証をしているだけ」なので、ノックス十戒の本質『理不尽なトリックじゃないので読者にも解ける』とかのラインは守っている。真面目だ……。

 

——というわけで、また最後の詰めが甘かったナグーチカです。今度からは探偵能力の発動条件もしっかり記憶していこうと思います。あぁまったく、残念無念失望絶望期待外れの的外れ…!!

 ま、まあ。トリックはおおむね解けてましたからね!!わ、我が推理は完璧。そう完璧だったのです。ええ! どこが?無様この上ないでしょうに。

 それはそうと、ノーヒントとはいえ教会とアマテラス社に繋がりあったんですね。それなら隠蔽も当然ではあるけども、まさかセスくんが普通に退場するとは……つくづくキャラの消費に躊躇いがないの恐ろしい。変態カップルの上司側はなんかオーラから別格らしいので、とうとうアマテラス側にも存在してるだろう「異能」に近づきつつあるのかもしれませんね……ところで1章の電車から降りてた謎の人影、結局あれ何???